プロローグ
前口上
こんにちは。合同会社SumSumの「読み物」を書いているものです。
「暮らし」や「日常」「非日常の日常化」などを読み物のテーマの一つとしているので、主なお仕事は篶竹荘と第2ペンギン荘をやっているという下宿屋さん(シェアハウス屋さん)ではありますが、みんなの考える「ふつうの暮らし」について何かのきっかけになったらいいなと考え、いろんなことを無責任かつ適当に書いています。
断捨離とかミニマルとかタイニーハウスとか、そんな感じで小屋暮らしとか平屋の家とかの雑誌や本を見かけます。
私も小屋にはとても興味があるのですが、どちらかと言ったら子供のころ作って遊んだ秘密基地からの延長線の方が強いかもしれません。
さて、そんな小屋暮らしが「日常」になったら楽しいかも!ということで、これまで「小屋。DIY/セルフビルドで安く作るための工法とか。」とか「移動式住居で色んなところに住む方法を考えてみる」とか「小屋を作る/小屋に暮らす」といった下宿(シェアハウス)の話とは一見あまり関係ないような小屋っぽいことを結構書いたりしました。
やろうと思えばできた!
そんな小屋に興味が尽きない昨今。
「小屋。DIY/セルフビルドで安く作るための工法とか。」を書いていて思い出したのですが、そういえば第2ペンギン荘の庭にも朽ち果てた小屋があって、あまりにも見栄えが悪く、劣化の一途をたどっていたので修繕したことを思い出したのです。
適当に撮っていたスマホの写真を見返してみると、修繕の最初から最後の方まで結構ちゃんと撮っていました。
そんなわけで、せっかくなので紹介しようかなと思った次第です。
なお、小屋づくりに興味を持った方がツーバイフォー工法とかで小屋を作っているブログをみて「大変そうであきらめた」なんて声をたまに聞きます。「建築の知識も技術も無いから」と。
でも、ちょこちょこ調べて、こつこつやれば小屋ぐらいなら建てることができます。
そして小屋を建てられたら規模が大きくなるだけなので多分、家も技術的には建てられちゃうと思います。
私は学校で建築を学んできましたが、ほとんどサボってたので、小屋を修繕するにあたって建築の知識はほとんど関係ありませんでした。
直し方のほとんどはyoutubeで見て、見よう見まねで作って行きました。
youtube便利です。だいたい調べればやり方載ってます。
そして、一つ一つこなしていけばいつの間にか完成しています。しかもDIYなので安価に。
みなさんも家にぼろぼろの小屋があったり、小屋を作ってみたいと思われていたら、ぜひその第一歩を踏み出してはいかがでしょうか?
今回は「こんな感じで作ったよー」というのを紹介させていただきますので、「こんなもんか!」「自分もやってみよー」と思っていただけたらこれ至極幸いです。
小屋を直した記録。
◆朽ちる寸前の小屋を修繕することにした

第2ペンギン荘の庭先にあった小屋は外壁がすっかり剥がれ、野良猫たちの住処になっていました。このままでは風雨にさらされ朽ち果てるのも時間の問題です。
また、見栄えも悪いことから治安上もよろしくないです。
ということで直すことにしました。
◆解体。余っていたサッシをイメージではめてみる

予算はなるべく割きたくないので家に余っていた捨てる予定だったサッシなどをなるべく再利用します。
まずは、外壁と内壁、床、天井を解体。
写真は余っていたサッシを仮にはめてみて「こんなかんじにしようかなー」と検討しているところです。
◆筋交いを入れて補強

外壁を取ると、小屋がすごくグラグラ揺れました。もともと物置小屋で簡素な作りだったのであまり補強していなかったのだと思います。
なので外壁の朽ちたベニヤ板ですら構造用合板のような役割で横揺れから守ってくれていたようです。
ちょっとこれでは強度に不安がありますので、youtubeで学んだ方法にて筋交いを入れました。本当はたすき掛けにしたかったのですが、壁厚の関係から片筋交いです。
◆サッシを固定

筋交い以外のところは基本的にすべてサッシをはめ込みました。
これまでの修繕で取り外していたサッシなどが余っていたため、ここまでか!ってほど冊子を取り付けました。全部で10箇所。
この小屋は4畳ですから過剰なサッシの数だとわかっていただけるかと思います。
◆透湿防水シートで防水

外壁の内側に透湿防水シートを巻く。
これはアウトドアウェアでいうところのゴアテックスです。外から雨は通さないけれど中からは湿気を逃がします。
住宅地などで建てられている家を見ると「タイベック」とかと書かれた布みたいなので白く巻かれている姿がたまに見られますが、それです。
これも家に余っていたのを使いましたが、そんなに高い製品ではありません。
◆下宿に余っていたサッシで明り取りを作る

色々なところで余ってた冊子をどんどん貼り付けました。
なんか、こうやって木サッシを組み合わせて壁にするとおしゃれなんじゃないか?と当時は考えていました。
◆床・壁・天井を断熱

床・壁・天井の断熱です。グラスウールを使用しました。
このグラスウールは知り合いが余らせていたものを譲り受けました。
グラスウールはパックから一度広げると断熱材ですからものすごい空気を孕み、とんでもなく大きくなります。
なるべく使い切る量を適切に購入しないと、処理に苦慮します。
◆外壁はトタン

断熱を終えたところで透湿防水シートの上から外壁材を取り付けます。
本当は木の方が味もあって好きなのですが、隣地との境に建っていて施工性や予算、耐久性の関係からトタン波板にしました。
◆床を貼る

床です。
あくまで朽ちた小屋の修繕なので再利用または必要最低限のグレードにて施工です。
450mmピッチの垂木を敷き、その上に12mmの構造用合板を貼り、床としました。
◆内壁を貼る

次に内壁を貼っていきます。
この木材は野地板です。本来はぼそぼその木肌なのですが、やすりで磨いてちょっと見栄えを良くしました。
束で売っている一番安いといってもいいくらいの木材なので、ぜんぜんお金をかけていません。
基本的に雨風凌げればいいつもりで施工しました。
◆天井を貼る/電気配線もする

天井です。木製の合板などの板より、石膏ボードの方が安価のため、石膏ボードを利用しました。
しかし、とても重く、もろいため、次にやる機会があったら石膏ボードは天井にやらないかなーと思っています。
(施工しやすい壁はやってもいいかなと思ってます)
◆塗装

内壁は労力削減のため、貼る前に塗装しましたが、天井と床は設置後に塗装しました。
ペンキも余っていたものを使用です。
◆完成

そして完成したのがこちら。
本当は床と壁の境に巾木を付けたのですが、写真では残していませんでしたのでこのあたりで「完成」ということにしておきます。
最後の写真を見ると「なんなら住めそう!」と思っていただける方もいそう。いてくれ!・・・と感じているのですが、どんなもんでしょうか?
こつこつやればこのくらいのレベルならできるんだな、と思っていただけたらと思います。
多分自分は極めるのが苦手な方なのでかなり適当な性格です。
それでもこのくらいのレベルならできました。
もしご興味ある方いらっしゃいましたら、ぜひやってみてください。
「終わってみれば」ですが「思ったより」形になりますよ。
それではー。