シェアハウスと下宿の違いを考えてみよう。

↑篶竹荘「文鳥の間」。先代の下宿からエリアによって「’あ’の付く花の名前」「山の名前」「野鳥の名前」に分かれている。素敵!

シェアハウスと下宿

こんにちは。合同会社SumSumのノってるときは勢いで書いてしまう筆まめな者です。

弊社は長野県松本市の温泉街、浅間温泉で2015年から「下宿篶竹荘第2ペンギン荘をやっているのですが、最近・・・というか2000年代に入ってからは似たような共同生活のスタイルである賃貸住宅「シェアハウス」という名前がメジャーになってきました。

どちらも同じく共同生活のため、多く共通点がありそうですが、逆に名称が違うのだから「相違点」もあるんじゃないかな、と。

私たちが運営している建物はシェアハウスの名前もすっかり定着した2015年開業なのに、あえて「下宿」と呼んでいますが、「シェアハウスとは違うの?」と聞かれたら、おぼろげに、そしてなんとなく「レトロな建物だから『下宿』って呼んでるんですよ。今でいう『シェアハウス』と同じと思って大丈夫です」と言ったりしています。

ただ、大体の共通のイメージとしてこんな感じではないでしょうか?

◆シェアハウス

なんかお洒落。毎日、誰かしら玄関直結の明るいリビングでパーティが開催されている。賑やか!

◆下宿

なんか昭和レトロ。毎日、誰かしら廊下の奥の部屋で蠢いていたり囁きが聞こえる。賑やか!

私もイメージで違いを想像してみろ、と言われたら確かにこんな感じのイメージをします。

ただ、これらはシェアハウスと下宿と名の付くいわば極地で、メディアなどからイメージ形成された「ザ・シェアハウス」と「ザ・下宿」ではないでしょうか?

実際はもっと名称で「シェアハウス」「下宿」と名乗っていてもグラデーション的に並んでいそうです。

と、いうことで共通点やら相違点などを調べてみて分かった一般的な観点や主観的な観点、名称などから考えて行こうと思います。

まずは基本。名称から見てみる

シェアハウスと下宿の違いは(カッコ)内に隠れてる?

まず、うちの下宿や、ほかの下宿、シェアハウスと名乗っているところをちらほら眺めてみると、「こういう意味合いが含まれているんじゃないか?」というのが分かってきました(きたような気がします)。

共同住宅で一般的な名称として主に「シェアハウス」「下宿」の二種類しかないのでわかりずらく、特徴やコンセプトは(カッコ)を付けて注釈を入れてみることでもう少しわかりやすくなるのではないか、ということです。

(※「寮」とか建築基準法上で「寄宿舎」という呼び方はあります)

そもそも前段で「グラデーション的」と言った通り、その種類はシェアハウス、下宿の数だけあるのかと思いますが、例えばで書いてみます。

(分類、定義もイメージなので悪しからず。)

①下宿(ザ・下宿)

明治の文明開化で帝国大学ができたころ、上京した学生の寄宿先としてでき、その流れを汲んだまま、大きくそのシステムを変えず、学生だけでなく社会人なども住んでいるところ。廊下などに面して共用の台所、トイレ、洗面所が並ぶ。風呂は銭湯。「めぞん一刻」がそのまま現代に続いている感じ。

②下宿(学生下宿)

「ザ・下宿」から分岐。学生向けの下宿のまま進化。朝晩食事を提供していたりするため、リビング=食堂的な部分がある。風呂付。大学がある街には鉄筋コンクリート造の大規模な学生下宿もある。

③下宿(=シェアハウス)

うちはここ。下宿と名乗っているものの開業年は新しく、レトロさが売りなので「下宿」と名乗っている。下宿=シェアハウスなので建物は下宿、コンセプトはシェアハウスを継承していることが多い。本当は下宿一本で名乗りたいが、「シェアハウス」と書かないとネットの世界で「無いこと」とされてしまうため、併記。

④シェアハウス(=下宿)

③の逆。中身は下宿だが、お洒落さを演出したくて「シェアハウス」と改称。ペンション・民宿⇒ゲストハウス、タイツ⇒レギンスと言い方を変えたようなのと同じ。建物は下宿、システムも下宿だったり、シェアハウス要素が入っていたりといろいろ。

⑤シェアハウス(ハウスシェア)

ハウスシェアとシェアハウスの違いは前にちょっと書きましたが、運営母体が恒久的に管理をしているか、空間を貸しているだけか。シェアハウスと名乗っていても、内情は効率よく賃料を得るためのハウスシェア(≒間貸し)のパターン。住民がすべての管理をするので安価。

⑥シェアハウス(ザ・シェアハウス)

「交流」をメインテーマに置いていることが多い。そのため頻繁にイベントなどを開催。うまく回っているところは常に賑やかで、静かなのが嫌だという人に最適。

どうでしょうか?移住や引っ越しを検討されていて、一度でもシェアハウスを探してみた方は、たしかにシェアハウスと名乗ってるけど「これ私のイメージしているシェアハウスとなんか違う」と思ったところがちらほらあったのではないでしょうか?

シェアハウスや下宿と名乗っていても、成り立ちはそれぞれ違うので、その内情を(カッコ)付けで見てみるとちょっとわかりやすくなるのではないでしょうか。

 

(ちなみに「下宿」と名乗っていて「これシェアハウスじゃん!下宿に住みたかったのに!!」という流れの検索をしてくれる人はあまりいなそうな雰囲気で悲しい今日この頃。昭和レトロで丁寧な生活楽しいんだけどなー、マイノリティ?)

一般的な共通点と違い

さて、お次は名称ではなく、施設の設備やシステムなどの部分で「一般的な」共通点や相違点を見てみます。

あくまで一般的なので調べてみて見つけた点を書いてみますが、やはりシェアハウスも下宿も、もともと共同住宅として同じ分類で、グラデーション的にいろいろな施設があるため「〇〇なところもある」「〇〇な場合がある」みたいな書き方が多く見受けられました。

それでも、なるべくまとめてみたのがこちら。

◆共通点

中長期の居住者のための施設。運営母体(管理者)がある。居室(寝るところ)以外のキッチン、トイレ、浴室などは共同設備を利用する。

◆相違点

⇒シェアハウス

デザイン性やコンセプトを付加価値にしている。その分、家賃はアパートやマンションに比べても同額か若干安い程度。管理者は常時施設内に居らず、トラブルには来訪して対応。

⇒下宿

管理者が常駐、または近隣に住んで対応する。トイレ、風呂(銭湯の場合も)が共同で台所が個室内にある場合や、台所も共用設備で食事の提供をしているところもある。普通の戸建ての「部屋貸し」も下宿と呼んだりする。

うん。公平に、客観的に、一般的に見ると、たしかにこんな感じかもしれません。

シェアハウスはあくまで「事業」としてやっているため、少ない人員で大人数の施設や複数の施設を管理できるようにしていて、交流を促す点もよりシステマチックでスマートな感じ。

逆に下宿は「家が広かったから」と「部屋貸し」の延長線上にあって、建物の一画や、敷地内に大家さんが住んでいそうです。

主観的な共通点と違い

世間一般的なシェアハウスと下宿の共通点、相違点は上の通りですが、私の考える主観的な共通点と違いを書いてみます。

なんとなく「レトロな建物だから『下宿』って呼んでるんですよ。今でいう『シェアハウス』と同じと思って大丈夫です」と内覧者に言っちゃうくらいですから、明確に言うことはまだできないのですが、現時点での「こんな感じかなあ?」になりますが、ご了承ください。

◆共通点

運営母体(管理者)がある。居室(寝るところ)以外のキッチン、トイレ、浴室などは共同設備を利用する。住民同士で交流がある。

◆相違点

⇒シェアハウス

デザイン性に力を入れていて、イベントも積極的に主催、または開催を推奨する仕組みがある。その運営費用がかかるため、家賃は近隣アパートと比べて同額か若干安い程度。場合によっては高いことすらある。管理者は常時施設内に居らず、トラブルには来訪やオンラインで対応。

中長期の入居が多く3ヶ月程度で出る人も。出入りが多い分、新しいメンバーで過ごせて新鮮。

⇒下宿

管理者が常駐、または近隣に住む。シェアハウスほどシステム化されていないためよく言えば人間味がある。悪く言えば効率が悪い(商売が下手、または大家さんは他に仕事をしていて副業としてやっている)。平穏な日常を大事にしているため家賃的にもリーズナブルな設定をしている。そのため設備的にはあまり付加価値がついていない。ありのままの設備が気に入るか否かで好みが分かれる。

多くの人と出会う、多くの人と交流するというシェアハウスより「日常」「ふつうの暮らし」に重点を置いているため、長期の人が多い。

はい。私的に「一般的な」共通点と相違点をベースに、こんな感じかな?と、書き加えたり消してみたりしました。

一般的には違うかもしれませんが、少なくとも私たちが運営している下宿はこんな感じで運営していますし、(予定は全くありませんが)シェアハウスと名乗る施設をやることになったら、このイメージで作りそうです。

まとめ

読んでいただいた皆さまにとって有益な情報になったかわかりませんが、私は考えがまとめられてよかったです。

こうやってまとめてみると

「管理者が他の住民と同じ設備を利用し一住民として建物内に住んでいる」

は管理者がいるともいないとも捉えられるのでやはり下宿であり、シェアハウスであるのかもしれません(下宿=シェアハウス)

まあ、名前がこうだから、内容がこう!・・・というイメージはついてしまいますが、大事なのは中身が自分に合っているかどうかですね。

もし、松本市に移住を検討されている方で、温泉が好き!レトロな建物が好き!などうちの施設に共感する部分が多そうだと思ってくれた方はぜひ、「下宿(シェアハウス)篶竹荘(お問い合わせ)」と「下宿(シェアハウス)第2ペンギン荘(お問い合わせ)」にお問い合わせしてみてください。

それではー。