自分が作りたい「理想の下宿・シェアハウス」

◎安心して長く住める「住処」を作るために

シェアハウスは一般的に短期間で人が入れ替わるのを前提として貸す側も借りる側も考えているようです。

それは、アパートから次のアパートを見つけるまでの「つなぎ」であったり、何かしらの事情でその街に短期間住む場合などがありますから、そういった需要も理解できます。

今まではマンスリーアパートなどがその需要を満たしていましたが、より安価に借りることが出来るシェアハウスが注目されたのかもしれません。

→●(一般的な)シェアハウスと一人暮らしのメリット・デメリット

ただ、私たちの考える下宿・シェアハウスはちょっと考えが違います。

合同会社SumSumでは長野県松本市の中心市街地にほど近い浅間温泉という温泉街で「篶竹荘」と「第2ペンギン荘」という移住者向けの下宿(と銘打ったシェアハウス)をやっています(大学生もいます)。

「ふつうの暮らし」を提案するという理念のもと運営している下宿で、「ふつうの暮らし」=「日常」ですから、「つなぎ」であったり「短期間」な方むけけに作っていません。

そのため、下宿・シェアハウスと聞いて、つなぎで住もうと思って来られる方はお断りしてしまっているので、短期的には大損こいているような気がしないでもないですが、今住んでいる方々もみんな「ふつうの暮らし」を送っています。

「ふつうの暮らし」を送っている人にとって、一緒に住むメンバーがコロコロ変わっては落ち着きません。

そのために、断ってしまっています。

短期的には入居者が抜けてはすぐ入ってくるみたいな頻繁な流れがなく、もっとゆったりとしたペースで人が入れ替わるので、空室期間も場合によっては半年とかになってしまうこともあります。

それでも快適な暮らしを提供するには大切なことだと思っています。

長期的に見れば、それが安心して住める「住処」になると信じていますし、長く住んでくれる要因になるのではと考えています。

そんなわけで、↑は例えばですが、他にもこんなのが「自分が作りたい『理想の下宿・シェアハウス』」だよなーというのがありますのでちょっと挙げてみたいと思います。

これから(長野県とか松本とかに限らず)移住したい、次はシェアハウスってものに住んでみようかしら?などとお考えの方は、「たしかにこんな下宿・シェアハウスだったら住みやすいかも!」と思っていただけると思っていますので、参考にしていただけたら幸いです。

◎【ハード】理想の下宿・シェアハウス

◆それぞれの個室がある

とにかく、安価を売りにしている下宿・シェアハウスはシェアハウス内にルームシェアがあったりします。

要は相部屋です。

誰でもいつも元気いっぱいな訳ではありません。

会社で怒られたり、友達と喧嘩したり、疲れているときもあります。

一人でいたいときは誰でもあります。そんなときの逃げ場としても個室は必須化と思います。

逆に、リビングなど共有スペースが充実していれば個室の広さは問題ないと思います。2畳でもいいんじゃないかと思うくらいです。

◆レトロ

さきほどから「シェアハウス」と言わずに「下宿・シェアハウス」とかたくなに書いています。

これはウチ(篶竹荘と第2ペンギン荘)が「下宿」と名乗っているシェアハウスのため、その検索ワード対策とも言えますが、ごく個人的にレトロな建物が好きなのです。

新しい下宿なり、シェアハウスは作ればいくらでもこれから住むことができます。

でも、「戦後すぐに建てられた下宿」などは減る一方しかないわけですし、シェアハウスの元祖と言えば下宿です。

そして、下宿と言えば昭和です。

そんなわけでせっかく下宿・シェアハウスに住むんだったらちょっとレトロな下宿生活が楽しいんじゃないかなと思っています。

◎【ソフト】理想の下宿・シェアハウス

◆水回りに清潔感がある(生活感はむしろ◎)

台所、風呂、トイレ。

水回りがシェアハウス最大の「喧嘩のもと」です。

みんなが必ず使う上、もっとも散らかりやすいからです。

もし下宿やシェアハウスの入居を検討している方は、内見の際に台所が清潔感があるか見てみましょう。

とはいえ、清潔感はあっても生活感が無いのは逆に不気味です。

シェアハウスのキッチンの画像とかでやたらお洒落な写真が載ってたりしますが、きれいすぎて使うのを躊躇してしまったり、ほんとに人住んでる?と不安になってしまいます。

生活感があるのはむしろちゃんと下宿・シェアハウスが動いてるんだな、と思えるのでいい点だと思います。

◆「一人暮らしの日常」も送れる

料理が好き、コーヒー淹れるのが好き、読書が好き、映画鑑賞が好き、旅行が好き、自転車が好き、など趣味はいろいろです。

そんな自分の趣味も含めた「一人暮らしの日常」も送ることが出来たら下宿・シェアハウスは最強になります。

自分一人でやる好きなこともできるし、寂しくもない。

ただ、そうは言っても「完全な」一人暮らしの日常は制限されると思いますので、自分の考える「一人暮らしの日常」が送れる許容範囲化を見るといいと思います。

◎【共通】理想の下宿・シェアハウス

◆コミュニティが最大の売りではない

「コワーキングスペースがある」「フリーランスが集まり新たな仕事が生まれる」「いつでも誰かがいる安心感!」・・・などはメンバーによります。

ちゃんと運営している下宿・シェアハウスほど上記の理想を掲げますし、実現したいと思ってるはずです。

でも大抵はメンバーによって、そうなるときもあれば、そうならないときもあるのが実情です。それを目的として住まわれるとがっかりしてしまうかもしれません。

逆に、上記「」内のような下宿・シェアハウスを継続できているところはすごすぎる所なのでそういうの刺激を求めている方は即入居しちゃいましょう。

◆イベントやパーティーが売りではない

コミュニティのくだりとほぼ同様です。

ただ、「毎晩だれかがパーティ」とか「月イチイベント」とかは、なんかマンネリ化しそうですし、騒がしくて疲れちゃいそうだなーと思ってしまうのでウチは「定期的に何か」みたいなことは大掃除と松明祭り(浅間温泉最大の火祭り)くらいしかやってません。

むしろ、定期開催していなくて、InstagramとかのSNSで「何かやってんだなー」みたいなのがアップされているところは住民同士が自然発生的に何かをやろうとしているとも捉えられますので、そっちの方が楽しそうだなと思います。(個人的に)

◎まとめ

◆自分の脚で稼いだ先にこそ理想の下宿・シェアハウスが

下宿屋・シェアハウスも商売ですから目立つためにはあれよ、これよとコンセプトを付け加えたり、イベントを頻繁に開催してSNSなどでの認知度向上に努めなければなりません。

目立たなければ、知られなく、知られなければ無いのと同じです。

無いのと同じならば当然、入居してくれる人なんか来てくれません。

でも、アパートやマンションの大家さんがやたら「ウチのアパートでバーベキューパーティやってます!」みたいなのをSNSにアップしてるってことあるでしょうか?

そうなんです。

「ふつうの暮らし」って地味なんです。

「地味な暮らし」が快適な「ふつうの暮らし」なんです。

そこに下宿やシェアハウスの価値観の齟齬があります。

オーナーは目立たないと入居者が来ない。

入居者は目立たない方が落ち着いて暮らせる。(わいわいやってるシェアハウスは除く)

これは相いれないです。

じゃあ、「下宿・シェアハウスに住みたいけれど、毎日パーティとかじゃなくて、もうちょっと落ち着いて暮らしたいのにな」と考えている方はどうやって理想の下宿・シェアハウスを探せばいいのでしょうか?

答えは簡単。

「自分の脚で探す」です。

それは、旅先で地元の人しか通わない「安くておいしい食堂」を探す感覚に似ていると思っています。

◆「安くておいしい食堂」が理想かも

「地味な暮らし」が快適な「ふつうの暮らし」だとすればそれを実現できている下宿・シェアハウスは一般的に目立ちません。

SNSなどで注目されるような事柄が「いい意味で」ないからです。

それは地元に愛される「安くておいしい食堂」みたいなものです。

「安くておいしい食堂」は一見わかりにくいです。

「安くておいしい食堂」はSNSなどで目立ちません。

「安くておいしい食堂」は地味です。

でも、「安くておいしい食堂」は安くておいしいんです。

それは、地元の人づてに聞くか、自分の嗅覚で探してみるしかありません。

食べログにもいい感じのポジションで隠れていたりします。

下宿・シェアハウスも同じでしょう。

シェアハウスポータルサイトの高評価にインセンティブを与えたりしてそうなシェアハウスに隠れて、ぽつぽつと高評価があったり、むしろポータルサイトにすら載っていないところにこそ「理想の下宿・シェアハウス」が隠れていそうです。

こればっかりは個人の好みもありますから、いろいろと時間をかけて調べてみることが一番かな、というありきたりな結論に至ってしまいました。

 

◆おわりに

合同会社SumSumでは、そんな理想の下宿・シェアハウスを目指して「篶竹荘」と「第2ペンギン荘」をやっていますし、作って行きたいと思っています。

もし、長野県や松本に移住をお考えの方で、「そうそう、こんな下宿に住みたかったの」ってお方がいらっしゃいましたら、検討してもらえたら幸いです。

それでは「自分が作りたい『理想の下宿・シェアハウス』」について書きました。

長野、松本移住の方だけでなく下宿・シェアハウスへの入居を検討している方の指標としても役にたったらいいなと思っています。

 

それではでは。