SumSum的まちづくり

◆得意なこと「超」苦手なこと

合同会社SumSumは一人でやってる会社である。

もともとはふたりだったが、ひとりニュージーランドに嫁いでしまったのでひとりになってしまった。悲しい。寂しい。

でも、ひとりなのは変わらない。自分だけでも食うのがやっとなので人を雇う余力はない。なので出来ることは非常に小さい。

だけれど、そのひとりである通称”ぽん”はまちづくりに非常に興味を持っている。

“ぽん”は大学の時、長野市で建築を学んでいた。全然勉強しない子であったが、設計製図の授業で須坂市のまちづくり的な授業があって、その時にまちづくりに興味を持ったのである。

その後、研究室では都市計画の研究室が無かったので、都市環境工学的な研究室に入って、街全体の環境負荷を低減するためにパーソントリップ調査を利用してエリアごとの環境負荷を調べたり、公共交通へ活かしたりうんぬん・・・みたいなことをやった。

そして、まちづくりがやりたくて某市役所に入ったのである。そして、早々に「よそ者がなんでおらんとこに来やがっただ!?」と言われ、そこからめちゃくちゃいじめられたのである。

一度、自分とは違う異質な存在になると、何をやってもいじめられるようになる。いじめられている側も卑屈になってよりいじめられるようになる。数年後にはすっかりいじめられキャラであった。

そんな経験から、移住者が定着できるようにと市役所を辞めてゲストハウスを経てシェアハウスをやるに至るわけだが、変わらず地域の活性化とかまちづくりには興味があるのだ。

今でこそ違うと思うが、当時の市役所は「勝ち組」になれるから、安定しているから職員になる・・・って人が大半だった。自分は違うので未練なく辞めてしまった。でもイチ民間人になっても街に貢献するようなことを続けようとは漠然と思っていたのである。

ただ、市役所時代にビョーキをもらってしまった。鬱病である。しかも結構重たい鬱病だ。いや、かなり重たい鬱病である。

そのせいで会社をやっていても出来る活動が著しく制限される。

制限されるからその中で、どうやって地域に貢献できるかを考え、しかも行政ではないから収益を成り立たせるかも考えなくてはいけない。アイデアは結構出てくるし自身もあるけれど、自分一人で出来ることと言ったらかなり限られてくる。

そんなわけで、合同会社SumSumの事業として、というか本業としてはシェアハウスの管理・運営ってところに至っている。それを通して地域の活性化などに寄与できればいいなと思っているのである。

自分も住んでいる街ならば、暮らしやすい街にしたいと誰もが思っているはずだ。それを事業としてやっていこうと思っている形である。

これまで住んできた人も、移り住んでくる人たちも楽しく暮らせて、魅力ある街を作って行くことは結果的に自分も住みやすい街になるはずである。

住んでて楽しい街にしたい。地域貢献したい。ただ、民間なので幾ばくかの収益は上げられるようにする。そして、まとまった収益になったらより大きな事業で地域を良くしていく・・・みたいなことを考えている。

そのために、こんなアイデアどうだろう!?・・・みたいな感じで本ブログを書いているわけだが、誰かの何かの事業のきっかけになったらうれしいなと言う思いでやっているのだ。

ただ、そんなアイデアを役に立つか立たぬか、実現可能か、机上の空論なのかはさておいて、無責任に書いたり発信したりするのは好きなのだが、一人で実行できそうなことはいい。ただ、多くの人を巻き込んでやらなければならない事業は非常に苦手なのである。

これは役所時代にもらったビョーキに全て起因する。

調子のいい時と悪い時があり、他人とのスケジュール調整が至難の業だからである。もうこのビョーキとも付き合いが長いので、だんだん自分だけならある程度余裕を持ったスケジューリングなどをして影響の少ないようにプランを考えたりするけれど、人との協働だとなかなかそうはいかない。

これが結構ネックである。

また、いじめられた経験から、慣れていない人と多く関わるのも苦手である。

街づくりこそ人と多く関わって、繋がって賑やかにしていくものであろうに。

なので、まちづくりをしたいのに、おおよそまちづくりをする人には似つかわしくないキャラクターをしているのである。”ぽん”は。

結果的に、”その界隈”の人たちの中での知名度は皆無であるし、ずっと前からやっている事業(この場合は移住促進や空き家再生)でも役所の人に「〇〇さんとこで先進的な事業をやってます。民間の力を借りたいです。あなたたちのシェアハウスでもやってみませんか?」とかたまに言われたりする。最初にやったのウチなんだけどなーと思いつつ。

とにかくもどかしいのである。

でも、苦手なんだから仕方がない。

これから事業を発展させるために、素敵な事業に見せる、信頼があり大規模な事業に見せるにはプレゼン力が必須である。しかし、超が付くほどそのあたりが苦手だ。

なんせ、主な事業であるシェアハウスですらガッツリ募集なんてしないで「いい感じの人が見つけてくれたらうれしいなー」なんてノリのころりころげた木の根っこ状態で入居者を待っているから大抵1~2室は空いている。

お前、ほんとに経営者か!??なんてたまに思ったりする。

だけれど、なんども言うようにまちづくりをしたいのである。地域に貢献したいのである。住みよい街にしたいのである。

なので、ここでちょっと考えを変えたい。

コンパクトシティだとか空き家再生だとか移住促進だとかまちづくりにも流行り廃りがある。だけれど、住民同士がほどよい距離感だとか、治安がいいだとか、買い物が便利だとか、普遍的な「暮らしやすさ」はきっとあるはずである。

そのあたりをSumSumでは地道にコツコツとやって行こうと思っている。

コツコツやっているので、プレゼンの上手い人たちが「先進事例」と捉えられてしまうこともあるかもしれない。でも、コツコツ長く続けることも街づくりには必要だと思っている。

結果が出てくるのは10年後かもしれないし、20年後かもしれない。

だけれど多分SumSumとしてはそっちの方が向いている。楽しい街にしていくために、流行り廃りではない普遍的な価値を付加していく。そのあたりである。

これは実績ではなく、他力本願であるが、篶竹荘、第2ペンギン荘がある長野県松本市の温泉街・浅間温泉も篶竹荘を始めたころはかつての栄光が残っているからこそ、より寂しい街だったのだ。

だけれど、自然にも近くて街にも近い、しかも温泉に毎日入れて、ふつうの街とは違う独特の文化が残る・・・ってところに魅力を感じて、誰も浅間温泉に見向きもしない頃、もしくはどんどん浅間温泉を離れていく2015年からシェアハウスを始めたのである。そして、魅力をInstagramなどで発信し続けていた。

まあ、SumSumの貢献度なんて本当に微力なのだろうが、ここ2~3年になり、ようやく浅間温泉の魅力が再発見され、ちょっとずつ賑わいを取り戻しつつあるのである。

これだけで篶竹荘を始めてから8年が経っているのである。

まちづくりは時間がかかる。なんなら一回りするほどの時間がかかることもある。

なので、流行り廃りに乗っているだけだと失敗することもあり得ると思うのである。

なので、一人くらい流行りに乗らないまちづくりがあってもいいのではないかと思う次第だ。

本流に乗れないからニッチなところを狙うのである。これがSumSumの得意なまちづくりかもしれない。

今はそんなことを思ってます。

~ほかにも記事書いています!~

▶合同会社SumSumおしらせ・読み物

→「こうやったらもっと暮らしって楽しくなりそうだなー」みたいなことを書いています。

→「ふつうの暮らし」「日常」をちょっと楽しくする提案やデータなどをもとにした考察みたいなのも。

▶篶竹荘「ブログ

「ぽん」のInstagramをもとに短い文章で書ききれなかった情報を加えて「より詳しい」日常、ふだんの暮らしを投稿します。

▶第2ペンギン荘「お知らせ・ブログ

→第2ペンギン荘のマスコット「第2ペンギン」がいろいろやってみる「てい」で書いています。

→調子に乗ってラインスタンプも作りました

▶Instagram「第2ペンギン荘

▶Instagram「ぽん(篶竹荘と第2ペンギン荘)