ネーミングセンス、どうでしょうか?

篶竹荘第2ペンギン荘の間にある「延命地蔵」。「じっさ石」「ばばさ石」の看板もある。これもある意味ネーミングセンスの勉強になるかも。。

名前の付け方

商品やサービスを売っているならば名前を付けることが度々あります。

これが結構難しい。「こんな感じを目指したい」「こんな思いを込めた」あたりから名前を付けると重い感じになってしまうし、むしろ「商品を開発していた時、休憩の時見た夜空の月が素敵だったから。」みたいな感じで名前を付けた方がキャッチ―な名前が付くような気もします。

結局のところ、商売だったら「売れたら勝ち」「売れたら商品に名前が引っ張られる」とも思うのでなんとも言えない部分もあります。

とはいえ、センスのいい名前を付けるときには基本的なルールみたいなのがあるみたいなので、ちょっと羅列してみます。

センスのいい名前の基本的な付け方のルール

1,ふたつの単語を合わせた造語

関連・類似する二つの単語、意外なものの組み合わせ、などいろいろなパターンがありますが、すでにある単語を二つ組み合わせた造語です。関連・類似の場合はよりその思いを伝えることができるかもしれませんし、意外なものを組み合わせる場合は、記憶に残りやすくなるかもしれません。

2,シンプルに付けちゃう

最近は、この流れが大企業にあるような気がします。例えば「pay(支払う)」を繰り返しただけのQR/ バーコード決済の「PayPay」とかspaceXの「Star Ship」とかがこの部類じゃないでしょうか。

3,ひっくり返してみる

「animation」を逆にした「ノイタミナ」とかがひっくり返しバージョンですね。なるほど、ひっくり返すと急におしゃれになる気がします。でも、私は「ひっくり返した意味」を求めてしまいがちなので、使えないかもしれません。※「ノイタミナ」は「アニメの常識を覆す」という意味でひっくり返したようです。

4,接頭語や接尾語の意味を単語に加える

英語の接頭語でいえば「in-」(~の中に)とか「com-」(~と共に)とか「re-」(再び-)とかが有名じゃないでしょうか。私は英語がとてつもなく苦手なので、接頭語を覚えて単語を知ろう・・・といったことに時間を費やして、英語がより苦手になって記憶があります。接頭語だけ覚えても文章が「~の中に」の話をしているのかな?程度しかわからないからです。

この接頭語・接尾語バージョンはけっこう見かける気がします。

5,語呂合わせ・洒落

「アステラス製薬」とかがそうですね。似たようなのだと「アストモスエネルギー」とかもありました。覚えやすいですし、カタカナにすると何となくおしゃれに見えます。

6,略語

実家の千葉に帰るときは節約して高速バスで帰るのですが、新宿のバスターミナル「バスタ新宿」はまさに略語をシンプルに付けた感じの名前になっています。ロゴがちょっとレトロな感じで作ってあって、おしゃれなのにダサいみたいないい感じになっています。

7,類似の単語からもってくる

旅行関連だったら「マタタビ」とか、暖房器具とかだったら「おひさま」とか連想させる類語から持ってくるというのも確かによく見かける気がします。

なるほどなるほど

たしかに、名前の付け方の基本を見ると、だいたいこの中のどれかになっているような気がします。

私がつけた名前も、書いてて「うん、これはこのパターンだったのか」と思ったりしました。

で、結局のところこれらの名前の付け方から色んな名前を付けてみて、最後には語感とか、その人のセンスで決まるわけですが。

そこで問題が出てくるのです。それは、

「シャイな私にはお洒落な単語がこっ恥ずかしくて付けられない」

ということです。

例えばその商品を表すラテン語の単語がとんでもなくお洒落な響きだったとしましょう。しかも、短い語感でみんなに覚えてもらいやすそうだったとしましょう。(確かメルカリとかもラテン語だったような)

でも、私は「なんでラテン語持ってきたの??」と思って「それ突っ込まれたら恥ずかしい!!」「ヘンに気取っちゃってーって思われないかな??」とか思ってしまうのです。

そうなると、考えようと思えばお洒落なキャッチ―な名前を考えられるセンスは持っている(と思う、思い込んでいる)のですが、そんな名前は決して付けられないのです。

そんな制約がありますと、「日本人なんだから日本語」もしくは「外国語由来でも日本で一般的な単語として使われている」「単位などこちらも外国語由来でもそれ以外に一般的に表す単語がない」あたりから単語を探して、考えなければならなかったのです。

そんな縛りを自ら課しながらここ付けた名前の一例が以下の感じです。

つけた名前たち

カンデラゲストハウス

カンデラは明かりの単位。1cd(カンデラ)はおおよそロウソク一本の明るさだとか。語源はキャンドルとか照明器具のカンテラと同じ。灯台の明るさの単位にも利用されていることから「旅人の行く先を照らせる(案内できる)水先案内人みたいになれたらいいな」という思いで付けました。

ポルト&ハルボ

そんなカンデラゲストハウスで飼っていた(飼おうとしていた)双子のにゃんこ。一匹はもらい受ける前に車にひかれて死んでしまいました…。カンデラが灯台から来ているのなら「海」。「海」には「港」がある。灯台が旅人の行く先を照らすなら、港は船にとっての宿みたいなものだ・・・と考えて「port」 と「harbor」から付けました。

篶竹荘

長野県にある下宿(シェアハウス)なので、長野県に関する名前を付けたいなと思って浅間温泉のあたりを散歩していたら松本城主の矢に使うための竹林を見つけました。そのころたまたま「美篶刈る」(みすずかる)(「美薦刈る」(みこもかる)の誤記との説もあり)という和歌のなかで使われる信州の枕詞を知ったので、竹林と枕詞が合わさって篶竹という名前にしました。美篶は美しい篶竹という意味なので。

第2ペンギン荘

そんな篶竹荘の「篶竹」がよく聞く単語ではないため、全然覚えられませんでした。思いを込めて付けた名前なので後悔は無いまでも、「思いを込め過ぎた」「思いが重すぎた」とずっと感じていて、次、もし名前を付けることがあれば「一見」こだわりのないキャッチ―な名前にしようと思いました。

そこで付けたのが「第2ペンギン荘」。前々からウッドストックとかニョロニョロとか「アホっぽくてうじゃうじゃしてそうなもの」が好きだったので、ペンギンも好きでした。なので「ペンギン」をベースに、「第1=篶竹荘」ならば「第2=ペンギン」だ。覚えてもらいやすそうだし。。みたいな感じで付けてみたのです。

ちょっとだけ「ファーストペンギン」的な意味も込めていますが、「思いが重い」部類になるのであまりこちらの理由は大っぴらにしていません。

南極工房とペンギン小屋

ひとつベースができれば簡単だ!という感じで付けた第2ペンギン荘内にある作業部屋と小屋です。いつかペンギン小屋はサウナにできないかなと夢想して作ったので、ただの物置と、そこら中で出たいらない建具をくっつけた感じのものですが、結構断熱をしています。

合同会社SumSum

弊社は松本に移住したい方たちのために「ふつうの暮らしを提供する」というのがコンセプトの下宿屋さん≒シェアハウス屋さんですので、想像の通り表向きは「住む」とか「住処」とかから名前を採っています。

名前を考えるときに、重要視したのが「簡単(由来がすぐわかる)」「短い(覚えられやすい)」「.comか.jpのドメインを取得できる」「隠して思いを込める」でした。

そこで出てきたのが「sumsum」という造語です。

「SumSum」とローマ字表記にしたのは「なんかカッコいいから!」といった思いではなく(恥ずかしいのでそれならばむしろカタカナとかにしそう)エクセルとかの「sum関数」から「合計する」とか「足し合わせる」という意味を付け加えたかったからです。

「住む」「住処」の「スム」だけじゃなく、下宿=シェアハウス=共同生活的な住む場所を作っているので住む人がが合わさって相乗効果を生み出す「住×住」みたいなイメージです。

(ちなみに「sumsum」はインドネシア語で「骨髄」を表すみたいです。一応、外国語で変な単語じゃないかと調べたときに出てきました。まあ、「真髄」とか言いますしこれならOKかと)

はい。こんな感じでつけた名前を紹介してみました。。

どんなもんでしょうか?オシャレ?それともダサいですか?覚えやすい?それとも覚えにくいです?

みなさんがどう思われようと、もう付けちゃったものはしようがない。私としてはもう愛すことしかできません。

できれば、その愛情をみなさまも注いでいただけたら幸いなのですが。。

それではでは。