徒歩圏内&自転車圏内を松本で考えてみる

↑篶竹荘の周り廊下。コの字型の廊下にくっつくように部屋が並んでいます。

内閣府「歩いて暮らせるまちづくりに関する世論調査」(平成21年7月)

面白い世論調査を見つけました。「歩いて暮らせるまちづくりに関する世論調査」です。平成21年(2009年)の世論調査なのでちょっと古いですが、歩きや自転車についての意識などはそう変わらないと思うので大丈夫だと思います。

ちょっと今回はこちらを眺めて、松本に当てはめたり当てはめなかったりして「暮らし」を考えて行こうと思います。

適当に徒歩と自転車について書かれている項目で面白そうなものを引っ張ってくると以下のところを見つけました。(作為的なので正しい情報は内閣府のページをご覧ください)

〇通勤通学の場合に普段利用する交通機関

「自家用車」(33.4%)

「鉄道(地下鉄,路面電車等を含む)」(12.9%)

「自転車」(9.5%)

(上位3位)

〇買い物,レジャーなどの用事の場合に普段利用する交通機関

「自家用車」(73.0%)

「自転車」(23.9%)

「鉄道(地下鉄,路面電車等を含む)」(23.8%)

「徒歩のみ」(16.3%)

(上位4位)

〇歩いていける範囲

「500m」(21.6%)

「501m〜1,000m」(37.3%)

「1,001m〜1,500m」(17.3%)

「1,501m〜2,000m」(12.1%)

「2,001m以上」(9.7%)

〇自転車で行ける範囲

「1,000m」(11.9%)

「1,001m〜3,000m」(31.7%)

「3,001m〜5,000m」(23.9%)

「5,001m〜7,000m」(8.7%)

「7,001m〜10,000m」(4.6%)

「10,001m以上」(4.2%)

これらから、日常の移動手段として、持っていれば車を使うことも多そうですが、市街地ならば自転車や徒歩も移動手段の選択肢としてありうることが「なんとなく」わかります。

そして、「そうじゃないかなあ」「自分がそうだし!」と思っていた徒歩と自転車の行動範囲。

徒歩ならば1キロ圏内ならば過半数以上。

自転車なら5キロ圏内ならば過半数以上が移動できると答えています。

 

こちらの調査は全国20歳以上の男女ということで、住んでいる地域や年齢で異なった結果が出ているようですが(内閣府のページでは見れます)、細かい統計を見たいのではなく、松本なら、浅間温泉ならこの範囲なのか~と眺めて楽しみたいだけなので割愛します。

松本市街地の徒歩圏内/自転車圏内

と、いうことで世論調査の結果をもとに、徒歩圏内、自転車圏内を松本に落とし込んでみて行こうと思います。

以下の地図は松本の旧街道「北国西街道(善光寺街道)」と「野麦街道」が合わさる「中央2丁目交差点」を起点に1㎞、3㎞、5㎞の同心円を描いたものです。

ここよりちょっと北にある千歳橋も道路元標があるのでいいかなと思ったのですが、松本に住んでると、ここの交差点がザ・街なか!って感じなので選びました。

篶竹荘や第2ペンギン荘がある浅間温泉を入れたかったので円の北側に偏っていますが、自転車圏内である5㎞円を見てみると浅間温泉はもちろん、住宅地が増えている北部の岡田、南部は庄内、南松本から平田の一部まで。東部は県や里山辺。西部は渚、鎌田、島内、島立などが入っているのが分かります。

なるほど。松本の中心部から5㎞圏内だから住宅地とか商業地がいっぱいあったのですね。

改めて距離の同心円を書いてみると、移動がしやすい部分が賑わっているのがよくわかります。

一方徒歩圏内の一番小さな1㎞圏内の〇は、20万人も住んでいる都市ですので、あんまり収まりきっていない感じです。

この徒歩圏内にあるのは「松本駅」「イオンモール松本」「松本城」「松本市美術館」「市民芸術館」「松本市役所」などです。観光地でいうと国宝の「開智学校」や重要文化財の「旧制松本高等学校」はぎりぎり外れています。

なので、5㎞圏内に移動範囲を拡大できるレンタサイクルが駅前とかに並んでるんでしょうか。

たまたま気づいて面白かったのが、前にやっていた北端にあるカンデラゲストハウスを含めて、知ってるゲストハウスがすべてこの1㎞徒歩圏内に含まれていたことでした。

概ねこの1㎞の円内に松本の街中で観光するすべてが詰まっているので、宿も自ずとその円内に集まってくるのですね。

逆に言えばそれだけ松本の街が観光も、商業も、官公庁もぎゅっと詰まっているという意味でも捉えられます。

浅間温泉の徒歩圏内/自転車圏内

〇徒歩圏内

さて、次は浅間温泉の徒歩圏を見て行こうと思います。下の地図の円は半径500mと半径1kmの同心円になります。

いまでこそ松本の中心市街地と浅間温泉の間は住宅地やちょっとした郊外型店舗が並んで「地続きの街」といった感じですが、松本駅から浅間温泉まで路面電車が通っていたころは間は田畑が広がり、唯一賑わっていたのが「横田遊郭」(現・横田温泉)くらいだったと聞きます。

そうやって見ると、浅間温泉の街はもともと本郷村だったので「本郷村役場」(本郷支所のすぐちかく)を中心としてものすごく密集した街が成り立っていたんだなとみることができます。

今でこそ車などの移動手段ができてしまったので、日用品や食材を購入できる店は数えるほどになってしまいましたが、それでも現在も半径500m圏内に浅間温泉の街がぎゅっと入っています。

この中に宿が建ち並ぶ温泉街も、郵便局も、銀行も、支所も、文化センターも、幼稚園も、保育園も、小学校も入っています。また、今でも住宅地として約3000人がこの浅間温泉のエリアに住んでいます。

結構、すごい気付きでした。

これだけあれば徒歩しか移動手段がなくても、(食材・日用品をネットに頼るならば)このエリアに住むこともできそうです。

まあ、食材も日用品もバスや安価なコミュニティバスの移動手段がありますので、買い物難民にはならないと思いますし。

〇自転車圏内

そして、自転車圏内です。自転車は5㎞までならば過半以上が移動するとあったので、円は中心から1㎞、3㎞、5㎞となっています。

浅間温泉は松本の街中からちょっと標高が上がりますので、自転車での移動は「行きはよいよい、帰りは怖い」の典型的な例ですが、まあ、どこまでもまっ平らなところなんて水の上くらいしかないので、ここは無視しましょう。(行きは自転車漕がなくてもいいくらいで街中に行けるわけですし)

地図は南の方が「おまち」なので南に偏って円を載せています。

本郷支所から自転車圏内を見ると、

1,官公庁など

市役所だけでなく、島立にある長野県庁松本合同庁舎も入ります。中央図書館や信州大学などもこの範囲内。銀行などは当然この範囲に複数あります。ぎりぎり圏外だったのが松本年金事務所。まあ、そんなに普通の人は頻繁に行かないと思いますが。

2,買い物

自転車圏内だと、イオンモール松本があるのでそこで日用品、食材、衣類、雑貨などから映画、飲食店が賄えるのが大きい要素ではありますが、スーパーでいえばデリシア桐店、元町店、惣社店、庄内店、西友、ツルヤ渚店が範囲内。

ホームセンターならばD2元町店、綿半ホームエイド庄内店がこの安易に。

ショッピングなどだとパルコやデパートの井上、書店だと丸善書店なども範囲内になります。

3,観光・旅行・移動

松本の街中の観光地はすべて網羅できます。松本城、開智学校、あがたの森(旧制松本高等学校)、実は重要文化財の「筑摩神社」、松本民芸館、美術館、市民芸術館、浅間温泉は当然のこと、美ヶ原温泉などの温泉地も。

都市間の移動とすれば公共交通機関ならば電車かバスになると思いますが、松本駅、松本バスターミナルも範囲内になります。

残念ながら空路の「信州まつもと空港」は郊外過ぎて範囲外に。

結論≒やっぱり松本は住みやすい!

まあ、こんな感じに、内閣府の世論調査をたまたま見かけたことから、松本や浅間温泉での移動に主眼を置いて地図などを眺めてみました。

もし移住を検討されている皆様に参考になりましたでしょうか?

改めて地図に円を書いてみたことで、松本、やっぱりぎゅっと詰まってるな、自転車あれば大体なんでも用事は済む、暮らしやすいと思うんだけどなーとおぼろげに思っていたことがより視覚的に知ることができました。

皆様にとってなにか新しい知識やアイデアの一助になれれば幸いです。

それではでは。