◎シェアハウスも下宿も住むための「家」というのが大前提。
◆シェアハウス=コミュニティ・絆!みたいなのは本来自然に生まれるもの。
「シェアハウス・下宿はコミュニティを売りにする賃貸の新しいスタイル」と思われがちです。
はたしてそうなんでしょうか?
アパートやマンションでもコミュニティは生まれます。
ただ、運営者がよりコミュニティを作ることに注力しているにすぎません。
コミュニティを人工的に形成することが必ずしもいいことだとは限りません。
頻繁にパーティやイベントを開催していては、シェアハウスや下宿だって家の一つの形ですから心身ともに休まりません。
「いい塩梅」を作り出せる触媒のような能力がシェアハウスや下宿の運営には求められているのだと思っています。
◆シェアハウスとアパート・マンションの募集方法の違いからくる矛盾
住みやすさでは「いい塩梅」がいいはずなのに、なんでシェアハウスや下宿では「定期的なパーティ」や「コンセプト」を前面に出していくのでしょう?
ちょっと考えてみました。
それは、募集形態の違いからではないでしょうか。
アパートやマンションでは駅前にあるような街の不動産屋さんやアパマンみたいなところに行けば、情報を手に入れることができます。
ところがシェアハウスや下宿では、ネット上やSNSで検索・認知するのが常識です。
ネット上で認知されるには「目立つこと」をしないといけません。
そのせいで、他の施設と差別化を図るために特徴や賑やかさを前面に押し出しているのではないでしょうか。
そんなシェアハウス・下宿は「賑やかさ」を求めてシェアハウスを探している人にはビビビッっと来るかもしれません。
でも、「賑やかさ」の手前。
「暖かさ」や「ぬくもり」くらいを求めている人にとって、イベントやコンセプトを前面に押し出している施設は必ずしも魅力的に映っていないような気がします。
「転勤・移住してきたけれど寂しくない」「一人で静かに過ごす時間も欲しい」
この辺りが、アパートだろうとマンションだろうと、そしてシェアハウスや下宿だろうと誰もが求めている「住む場所」の最適解なんじゃないかと思っています。
「毎日賑やか」は多分特定の人だけです。
◆認知度を上げるには頻繁なイベント、パーティ、交流会
シェアハウス・下宿を運営している人もうすうす気づいているはずなんです。
「『毎日賑やか』ってちょっと違くない??」と。
そうは思っても、全国に数多あるシェアハウス。
目立たないとネットの海に埋もれてしまいます。
そこで、定期イベント、ホームパーティ、交流会などが発生します。
運営者はそのSNS映えする写真を使って「いいね!」をもらい認知度を上げる方法をとるのです。
(僕だってたまにやっています)
でも、「騒がしそう」と思ってシェアハウス・下宿を断念してしまっている人も多いような気がします。
本来はひと月に一回開催しているかいないかの頻度だったとしても、キャッチ―な写真だけ目立ってしまいます。
そうするとシェアハウス≒毎日パーリー!みたいなイメージになってしまい、本来はもっと落ち着いた暮らしが営まれているのにその良さがどんどん分からなくなってしまいます。
◆認知度を上げるためのコンセプト型、コワーキング、コミュニティへ形成へのこだわり
趣味、立地などのコンセプトでくくったものや、最近だとコワーキングスペース、交流を通したコミュニティ形成をする工夫、オシャレにリノベーションした施設などを売りにしているシェアハウスも見受けられます。
これもパーリーと同じような理由です。
目立つからです。売名行為です。
認知度が上がります。
シェアハウスも下宿も商売ですから認知されない限りは始まりません。
知られていないのは無いのと同じですから。
でも、住む人にとっては目立つシェアハウス・下宿が必ずしも住みやすいのかと言われたら、「むしろ逆なのでは?」と思ってしまいます。
◎住みやすいシェアハウス・下宿って「ふつう=目立たない」はず。
◆住みやすいシェアハウス・下宿は目立たない。
シェアハウス・下宿の「目立つ競争」の行く末はなんとなくイメージできます。
どんどん賑やかになって、どんどん派手になって、どんどんオシャレになって家賃が上がる――。
その結果、シェアハウス・下宿が乱立しているピークで「シェアハウスって住みにくい」というイメージがついて、次々と施設を畳むラッシュになっていくのです。
そして、数年後「あれはブームだったんだな」なんて思うのです。
結局、賃貸の新しい形、アパート、マンション、シェアハウスという3本柱になることなく、潰えた暮らし方、シェアハウス。
本来は「家具家電が揃った上、アパートマンションより家賃が安価なため、一人暮らしや移住がしやすい賃貸のかたち」がシェアハウス・下宿に本来求められているものなんじゃないでしょうか。
住みやすいアパートやマンションが特段、目立っていないように、住みやすいシェアハウス・下宿だって本来目立たないはずです。
でも、目立たないと入居者が増えない。
目立って問い合わせのあった人からメンバーの相性のことも考えずにどんどん入れてしまう。。そんなことをしていたらそのうちシェアハウス自体が無くなってしまうような気がします。
シェアハウス・下宿ってゆるやかで楽しく、そして住みやすいのに。。。
◆住みやすいシェアハウス・下宿は「至ってふつう」
合同会社SumSumでやっている「篶竹荘」や「第2ペンギン荘」で「ふつうの暮らし」を前面に押し出しているのはそういった理由からです。
シェアハウス・下宿の本来の良さ、生活スタイル、ふつうの暮らしを紹介することと、なおかつ「認知度もそれなりに・・・」を両立しようと、最近は「読み物」も充実させようと頑張っている感じです。
頑張って認知度を上げるためには頻繁なイベントでもなく、施設のコンセプトでもなく、「ふつうの暮らし」を丁寧に紹介することではないかと思っています。
一見、イベントや施設のお洒落さなどで目立つシェアハウス・下宿も蓋を開ければどこも「ふつうの暮らし」の部分があります。
そんな「ふつうの暮らし」を切り取って紹介することで、それぞれの施設に合った人たちが集まり、そして新しい生活スタイルとしてシェアハウス・下宿がより定着し、みんなが快適な「ふつうの暮らし」を送れるような気がしています。
◆ふつうの中に「スパイス」があるくらいがちょうどいい。
その「ふつうの暮らし」の紹介の中に「スパイス」というか「彩」的な存在でイベントやコンセプトなども時たま開催したり、紹介したりすればいいんじゃないかなと思っています。
まあ、こうなると「いかに認知度を上げるか戦争」では負け確実なのですが、誰かしら見つけ出してくれる人もいると思いますし、そうやって見つけてくれて、気に入ってくれた人は長く住んでくれる傾向にあります。
ヘイシャの下宿では、国土交通省の「シェアハウスの実態調査」よりはるかに長い期間住んでくれています。
結果的に認知度を高めて入れ替わりの激しいシェアハウス・下宿となるよりは、シェアハウス・下宿という新しい産業が、白いタイ焼きやタピオカ、から揚げのように使いつぶされること無く、長く続いていき、結果的に入居者にとっても、運営者にとっても利点が多いんじゃないかと思います。
◆シェアハウス・下宿の本当の良さ。自然発生的な「ゆるやかな」連帯感が心地いい。
下宿やシェアハウスの良さは、前出しましたが、
▶家賃のわりに共用部分を含めると使える面積がはるかに広い。
▶家具家電がひと通り揃っているため、引っ越し、移住がしやすい。
▶アパート・マンションよりリーズナブル。
▶一人の時間も取れるし、みんなともいれる。
が本来の利点なんじゃないかと思っています。
イベントやコンセプトやお洒落な生活は副産物です。
それをやることで家賃が上がっていては本来の良さを潰してしまうようにも感じます。
◆古くて新しい「住」の形。シェアハウス≒下宿
それは持ち家やアパート、マンションにもメリット・デメリットがあるのと同様にです。
そんなメリット・デメリットを含めて古くて新しい生活のスタイルとしてシェアハウスができ、下宿が見直されているのだと思います。
選択肢の一つとして。
暮らし方は多種多様です。
「共同で暮らす」というスタイルは今までの持ち家、一軒家、アパート、マンションでは賄い切れていなかった生活スタイルです。
友人同士で家を一緒に借りる、というのも、どちらかが出て行ってしまうなどということがあり、完成された生活スタイルではありませんでした。
ぜひ、シェアハウスという住居形態がこれからも選択肢の一つとして使いつぶされることなく発展していってほしいなと思います。
◆シェアハウスの発信は「ふつうの暮らし」を見よう。
そんなわけで滔々とシェアハウス・下宿について「ふつうの暮らしをしている」≒「目立たない」ところの方が、本来のシェアハウス・下宿の良さがあって暮らしやすい施設である・・・。
みたいな話を、なんだか「シェアハウス・下宿産業の行く末と危機感」みたいな話にズレつつも論じさせていただきましたが、どんなもんでしょうか。
ちょっとシェアハウスの「目立ったもん勝ち」や「お洒落で一人暮らしと同価格帯」な施設が増えている昨今の状況を鑑みて一石投じたい気分になってしまいました。
シェアハウスも下宿も、他の住居のスタイルと同様に「家」の一つのかたちですから、それぞれの生活スタイルが前提にあった上で自分の「ふつうの暮らし」ができるかで選んでみたらいいんじゃないかと思います。
◆目立たなさではピカイチ!
●まとめ
それを端的な言い方にしたのが、「いいシェアハウス・下宿は目立たない」でございました。
人によっては、賑やかなところが好きな人もいると思います。人それぞれです。
私たちが作ろうとしている下宿屋さんは「落ち着ける場所」「ちょっとだけ楽しい所」を提供できる場所だと思っていますので、「目立たない論調」に偏っています。
多くのシェアハウスや下宿ではSNSで情報を発信しています。
施設によってはイベントなどを頻繁に上げているところもあると思いますが、見るべきは「どんな生活をしているのか」、つまりは「ふつうの暮らし」の部分はどんな感じかです。
それがこれからの暮らしに大きく左右してきます。
例えば私たちの「篶竹荘」や「第2ペンギン荘」では、
▶興味のある人たちで畑を借りてやっています。毎年春にやりたい人を募っています。
▶趣味が合う人同士で釣りに行ったり、キャンプに行ったり、お出かけしたりしています。
▶数ヶ月に一度、新規の入居者などがいたら運営側が主体となって歓迎会などを開いて交流してもらっています。
▶あとのイベント的なものはそのときのメンバーによって、やりたい人がみんなに声をかけてみるスタイルで月に1度あるかないかの落ち着いた感じです。
ウチはこんな感じですが、こういった雰囲気がSNSなどでどの施設も垣間見れるかと思います。
その雰囲気を感じ取って、自分に合いそうなシェアハウス・下宿をアパート、マンションなどの一人暮らしの検討と共に選ぶのが楽しい生活の一歩かと思います。
●目立たなさはピカイチの篶竹荘と第2ペンギン荘
普段の暮らしを見てもらうという観点で篶竹荘のInstagram、第2ペンギン荘のInstagramやブログを書いているので、目立たなさはピカイチです。
ただ、どこよりも「ふつうの暮らし」が垣間見れると思っています。
もし、松本や長野県に移住を考えていて、篶竹荘や第2ペンギン荘での暮らしが合いそうだなと思ったら、お問い合わせをいただけたらと思います。
・・・と宣伝も入れましたし、長文になってしまったので、この辺りで締めます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
シェアハウス・下宿を選ぶうえでのの参考になれば幸いです。
それでは。
◎↓↓↓長野県や松本での「暮らし」をもっと知りたい方は↓↓↓
◆SumSumの「読み物」のテーマは「移住」「ふつうの暮らし」「日常」などです。
ほとんど同じ人が書いているので、隠しきれない個性はそのままに、より松本での暮らしに主眼を置いて書いています。
併せて読んでいただけると、より長野県や松本での暮らしが立体的に知っていただけると思います。
(と、言いますかSumSumの「お知らせ・読みもの」だけが異質です。)
ご興味ありましたらのぞいてみてください。
▶合同会社SumSum「おしらせ・読み物」
→もっともカタい文章を書いています。
→文章長め。
→「ふつうの暮らし」「日常」をちょっと楽しくする提案やデータなどをもとにした考察みたいなのも。
→自分にとっての「快適な暮らし」を求めている人にとって何かのきっかけになったらいいなと思い書いています。
→「会社のサイト」だから一番真面目に書かなきゃ・・・と思って「他よりは」資料をあたって書いています。
▶篶竹荘「ブログ」
→「ぽん」のInstagramをもとに短い文章で書ききれなかった情報を加えて「より詳しい」日常、ふだんの暮らしを投稿します。
→ブログの中ではもっとも「素」です。
▶第2ペンギン荘「お知らせ・ブログ」
→第2ペンギン荘のマスコット「第2ペンギン」がいろいろやってみるていで書いています。
→一番DIYについて書いているかもしれません。
→ちょっとおふざけしています。
→一番楽しんで書いているかもしれません。
→第2ペンギンはこんなやつです→(調子に乗ってラインスタンプも作りました。)
▶Instagram「第2ペンギン荘」
→第2ペンギン荘のInstagramです。
→女子目線の松本・浅間温泉暮らし。
▶Instagram「ぽん(篶竹荘と第2ペンギン荘)」
→篶竹荘と第2ペンギン荘のInstagramです。
→篶竹荘に住んでいるので篶竹荘の投稿が多め。
→個人的な趣味を投稿するあまり「大外れ」も多いのが瑕。
→素。