まちづくりの種

◆"まちづくり"したい、なんておこがましいですが・・・。

昔から”まちづくり”に興味があると言ってきた。

だけれど、最近おこがましいんじゃないかという思いもある。

なんだかんだ言ってまちづくりをすると言うことはその街に対して単一化を進めることのような気がするからだ。

単一的な街は訪れるのには楽しいかもしれないけれど、住む側からすれば楽しくないような気がする。

だけれど、資源が少ない街にとっては何かバシっと特徴を付けた方がみんなに覚えられるからまちづくりといったら何か特徴づける・・・というのが主流なんじゃないかと思う。

〇〇を××な街に!

だけれど合同会社SumSumのある松本は「〇〇を××な街に!」と思ってる人がたくさんいるので、結果的に複層的に色々な魅力のある街になっている。

松本くらいの規模があれば多様性があってそれぞれのレイヤーで見ても魅力的な街になる。運がいい街だ。

まちづくりによって単一的な街を結果的に目指すことになった都市はある人にとっては超快適な楽しい街だけれど、その他多くの人にとっては全然楽しくない街になってしまう。

可能ならば色んなプレイヤーがあってレイヤーのある街を目指したいところだ。

合同会社SumSumは長野県松本市の中心市街地に近い温泉街・浅間温泉にてシェアハウス事業(事業というのもおこがましいけど・・・)をやっている。

まちづくりと同様に「衣食住」にもずっと興味があり、「衣」は個人的趣味で業務用ミシンを買って帆布カバンなんかをたまに作ってるし、「食」は畑を10年くらいやっている。そして「住」を考えるためにSumSumをやってる感じである。

単純な名前からもわかる通りSumSumは住住である。・・・と同時にSum=和である。つまりは「住×住」でシェアハウスだけでなく地域の住民がいい感じで関わり合うことで楽しい暮らしをしましょうよ・・・ってことを願った名前なのである。

繰り返すが単一的な街よりは目指すならば複層的な街の方が住む人にとっても訪れる人にとってもより楽しい街になるはずである。それは間違いないと思う。

◆"まちづくり"の種

・・・となると複層的な街にするためには色んな種を蒔くことが本来は望ましいことだと思っている。

色んな種を蒔いていくつか根付いたら、それで複層的な街の出来上がりだからである。そんな単純じゃないけれど。

だけれどSumSumは不器用な会社であるから、だいたい一つしか種を蒔けない。大事に大事に毎日水をあげ、様子を眺めているけれど、芽が出ないこともある。芽が出ても途中で枯れちゃうこともある。

そしたら、唯一の種を育てていた数年間は水泡に帰してしまう。そんな感じなのである。

なので、ふつうは色んな種を蒔くもんなのだ。

だけれど、畑をやってて間引くとき心が痛むように、まちづくりの種においても間引くのはメンタルがやられてしまう。自分は絶対できない。(畑は間引くけど)

まちづくりに関しては複数の人がかかわることも多いので、”間引く”と言うことは、そのプロジェクトを無しにすることになるので、一方的に頓挫した場合、相手方にとってはたまったもんじゃない。

そして、相手方の都合で間引かれる側(まちづくりの計画が頓挫すること)になったら被害は甚大である。

まちづくりの手法と言えば種をたくさん蒔くのが主流であるから、多くのインフルエンサー的な人は100のうち90が頓挫しても10芽吹けばいい、くらいの軽い感覚で種を蒔くのだと思う。種を蒔いたときは「将来こんな素敵な実が収穫できますよ~」とみんなを期待させて。

で育ち始めた100のうち90は途中で育てる人(発起人的な人)に見限られて水すら与えてもらえなくなる。

か、かわいそうすぎる・・・。

そんなことを考えてしまう性質なので、自分は種を一つしか蒔けないのである。

でも、まちづくりだけでなく、会社のプロジェクトでもなんでもそんなもんなんだろう。なんなら生物自体がそうである。何個も卵を産んで、大人になるのはほんの数匹・・・みたいな。

わかってる。わかってるけど、自分にはどうしても無理なのである。

なので、その計画に関して愛情を一心に注いでいるが、育たなかった場合はまた、イチからやり直しになっちゃう。

もどかしいのである。

ある程度ドライな心をもって、種をたくさん蒔ける人になりたい。

◆浅間温泉はどんな街になったら楽しいか?

そんなわけで、唯一蒔く種を選別するのにも時間がかかる。

なにせ一個しか蒔かないからだ。

繰り返しになるが、合同会社SumSumは長野県松本市の温泉街・浅間温泉にある。SumSum、すなわち住×住という名の通り、地域・シェアハウスの人たちがいい感じに関わり合ってどうやったら楽しく暮らしていけるかを割と考えている会社である。

結果的に、住民にとって楽しい街になれば楽しく暮らせるはずであるから、間接的にまちづくり的なことも考えるのである。

さて。以下は本題と関係ないけれど、浅間温泉の街についてちょっと考えてみよう。

地図にある通り、浅間温泉は非常にコンパクトな街である。

地図に書いた円は半径1㎞。

北部の薄ピンクで網掛けした部分は住んでいる人が多い住宅エリア。

南の部分は旅館街が建ち並ぶ観光エリアである。

どちらも温泉街の中にあるから、住宅エリアといっても、共同浴場が各所にあり、温泉に深く密着した街を形成している。観光エリアは当然、どこも”温泉”旅館である。

さて。一般的にこんな街があって今元気がない!・・・という状態だった時に、どんな街を目指そうか?

最近になって浅間温泉も色んなプレイヤーが増えてきた。篶竹荘ができたころは何もなかったのにありがたいことである。

だけれど、大半・・・と言うかSumSum以外全員と言ってもいいかもしれないけれど、みんな「訪れる人」目線で街の活性化を目指しているのである。

これは単一的なまちづくりの兆候である。資源がない街ならばそれでいいけれど、浅間温泉はたくさん資源が眠っていると思っている。単一化より複層的な魅力ある街を作って行くことが大事だと思う。

いくら観光客向けのお店や施設ができたとしても住民にとってはあまり関係ない。観光地価格でなんの恩恵も無い。

なので、SumSumはこれまでも、これからも地域住民=その地で暮らす人目線で街を楽しくしていきたいと思っている。

篶竹荘を作ったころからそれは変わらない。篶竹荘ができてから数年たって、「訪れる人目線のまちづくり」が始まって以降も変わってない。

あくまで楽しく”暮らせる”街を作りたいのである。

浅間温泉は旅館が建ち並ぶ観光地的な温泉街という特徴と同時に、半径1㎞内に3000人が住むという住宅地としての特徴を持ち合わせている。半径1㎞に3000人である。結構な人数じゃあないか。ないがしろにしちゃあ、いけないはずである。

ってことで、「温泉が身近にある暮らし。単純泉だから毎日入るのに適してる」とか「昔から旅館への住み込みとかがあったはずだから、移住者に優しい街」とか「市街地へ3㎞。美鈴湖へ4㎞。街にも自然にもアクセスしやすい街」とか「文人墨客が多く逗留していたのでアーティストインレジデンスも親和性がある」あたりで魅力を発信してきたし、この辺りが「松本の奥座敷―温泉と暮らす街、浅間温泉」という暮らす街目線で売りに出来ることだと思っている。

浅間温泉は訪れる場所としてだけでなく、暮らす場所としても魅力がいっぱいなのである。

SumSumは天邪鬼だから、訪れる目線のまちづくりが活気になってくればくるほど暮らす目線でのまちづくりをしたくなる。なので、ありがたいことである。

別に観光客が訪れるお店がたくさんできたとしても、敵対しているわけじゃあるまいし、むしろ浅間温泉が注目されてきてうれしい!・・・という思いなのだから。

観光エリアには素敵なお店や旅館が増える。住宅エリアには住民目線のお店が程よくできて、立地・環境の良さから移住先として人気になる・・・この辺りを目指していきたい。

・・・と言ってお前、種蒔いてんのかよ!?・・・といったら蒔いてない。

今はうごうごと考えている中で、篶竹荘や第2ペンギン荘のブログやInstagramで街の魅力や、温泉暮らしについてこれまでと同様にコツコツと書き、SumSumのブログ上という仮想空間でまちづくりの妄想を書きまくっているだけなのである。

一応SumSumのブログがまちづくりの種といったら種である。ブログ上ではたくさん蒔いているけれど、実際には一つしか蒔けない。なので、びびっと運命を感じる種を探している段階だ。・・・ってことにしておこう。

なんとなくであるが、30年前くらいは浅間温泉に4000人が暮らしていたようである。今は3000人だ。1000人住民が減っている。なので、1000人住民を増やすことを大きな目標にしていきたいとはこっそり思っている。

1000人人口を増やす。これは結構大きな夢、大きなプロジェクト。そして、温泉街を活性化させるにあたって、観光エリアに色んな素敵なお店ができたりするのに匹敵するほどの魅力あるプロジェクトではないだろうか。

1000人増えたら変わるだろうなあ!浅間温泉!!

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