浅間温泉、訪れる人にあったらいいもの、暮らす人にあったらいいもの。

◆旅人目線と住民目線。

合同会社SumSumは長野県松本市の温泉街・浅間温泉にある会社である。

SumSum=住×住ってことで、色んな人が一緒に暮らすことで楽しく暮らしましょうぞ、ってことを目指している会社である。なので、住む街が楽しくなるようにまちづくり的なことも興味がある。

ってことで、以前、浅間温泉のまちづくり的なミーティングに参加していたことがある。

そこで、街にどんなものがあればいいか?・・・という話になったとき、みんなが「お洒落なカフェ!」「美術館!」とか「雑貨屋!」とかいう中、「スーパーマーケット!」と鼻息荒くして言ったらドン引きされたことがある。

そういうことじゃあなんだよ。きみ」って感じだ。

これは訪れる人である旅人目線と、暮らす人である住民としての目線の違いが顕著に表れた例だと思っている。

このまちづくり的なミーティングの過半の人は浅間温泉の住民では無かった。

当然「訪れる人」目線なのである。

一方私は浅間温泉に住んでいる。住民目線なのである。

当然、信州を始め、松本も浅間温泉も観光地なのは理解している。旅も好きなので旅先にあったら素敵だなあと思う施設だって何個も思い当たる。

だけれど、浅間温泉に至っては観光地と言う側面を持ちながら半径1㎞内に3000人が住んでいる「暮らす街」でもあるのだ。

なので、なんだか観光客目線の話ばかりだなあと、そのミーティングに出ていて思ったので、ここは一人だけでも・・・と思って住む人目線の発言ばかりしていたのである。アウェイである。

でも話していて分かったけれど、やっぱり観光客が求めるものと住民が求めるものは結構違うと思った。

以下に、それぞれの立場になったつもりで「とある街」に何があったら過ごして楽しい街かを考えてみる。

◆旅人目線で街に求めるもの

観光と交通の相関関係」(国土交通省)ってのを見つけた。

また、「新・観光立国論」(首相官邸)でデービッド・アトキンソン 氏が魅力的な観光地に必要なものは

一、自 然
一、気 候
一、文 化
一、 食

としている。

確かに、これらが揃った観光地は訪れて楽しいところかもしれない。

それを踏まえて、自然とか気候とかは仕方がないので、文化、食で考えてみると、ミーティングで他の人が言っていたように、美術館とか雑貨屋とか地元の物が食べられる飲食店とか、地元のお酒が飲める居酒屋とかそんな感じなのがあったらうれしい。また、地域の歴史などを知れるツアーがあったり、配布される地図が充実しているのも散策するのに大変便利である。

松本エリアで言ったら、松本箒とか美篶細工とか日常使いに使える伝統工芸品が買える雑貨屋さんとか、ジビエやおやき、そばなどが食べられる飲食店、ちょっとオシャレな非日常を味わえるカフェやBAR、地元のお酒が楽しめる酒屋、イベントがたくさん行われる広場、公共施設、美術館などがあると嬉しい。また、そこでしか見られない景色や文化を知れるスポットや町並みなどもあると旅をした気分になる。

◆住民として街に求めるもの

一方、住みやすい街の特徴として、ちょっと古いが国土交通白書(平成21年)の一部抜粋的なページを見てみると、交通が便利、買い物など日常生活が便利など暮らす上で利便性が高い街の方が魅力的に思われる傾向にあるという。

そりゃそうだ。

なので、住民として街に求めるものといったらスーパーマーケットとか、そうはいかないでも日常使いとしてリーズナブルに買い物ができる八百屋だとか魚屋だとか肉屋だとかが欲しいわけだ。また、飲食店に関してもリーズナブルに訪れることができるふつうの定食屋だとか居酒屋、喫茶店が欲しいわけである。

公共施設でも美術館とか文化会館とか非日常を楽しむ施設と言うより、図書館とか児童福祉施設とか公民館とかが充実してくれていた方が住みやすい。

◆だけれど飲食店とかは兼ねられるかも

訪れると暮らすではこれだけ街に欲しい要素が違うのである。

でも、飲食店関係は観光客、住民、どちらの客層にも根差したものを作ることが出来るんじゃないかと思ったりする。

観光地価格でない価格で提供すれば(もちろんおいしい、という条件付きだが)住民も使うし、観光客だってもちろんリーズナブルにごはんが食べられてうれしい。

カフェ・喫茶店だってそうである。

そうなると「訪れる」と「暮らす」の共存は結局のところ「いい塩梅」ってことなんじゃないかと思ったり。

さきほど、観光地に欲しいものを書いてみたが、「生活観光」という言葉もある。

その土地のふつうの暮らしを体験したり、見たりする観光である。

私は結構・・・というかそっちの旅スタイルの方が好きだったりする。

地元の普通の定食屋でご飯を食べ、普通に住宅地を歩き、普通にまちをぶらぶらする。それでも同じ日本と言ってもそれぞれの街の微妙な違いが見て取れてすごくたのしいのである。

合同会社SumSumは「暮らす」の目線で街を楽しくしていきたいと思っているけれど、いろいろな、多様性のある街は楽しいはずだ。観光地に住むのももしかして楽しいかもしれない。

そういった意味で、今回は観光客と住民目線でそれぞれ街に合ったら楽しいものを考えてみたけれど、それがいい感じに融合しているのが一番楽しそうな街かもしれない・・・そう思いましたよ。

~ほかにも記事書いています!~

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