「温泉街の下宿屋」は偶然の賜物!!!?

◎下宿と言ったら「学生下宿」?

下宿と言ったら「学生下宿」をイメージする人が多いのでしょうか??

私は藤子不二雄A先生の「まんが道」を小学生のころから読んでいたのでどちらかと言ったら「トキワ荘」のような社会人が住む方の下宿を思い浮かべてしまいます。

あと、高橋留美子先生の「めぞん一刻」とか。。

五代くんは学生(浪人生)でしたが、一刻館に住む住民の大半は社会人でした。

でも、近くにそこそこ大きな大学があるのなら、そこにある下宿の大半は「学生下宿」なのかもしれません。

ともあれ、勤務先、通学先が近くにあるような割と人が密集したようなエリアでない限り「下宿」というものは成り立ちはしないでしょう。

加えて下宿自体は現在衰退しつつある住まいの形ですので、大正末期とか昭和初期・中期とかの時点で人が密集して住んでいたか、学校があったかで、その時点で下宿が作られていないと、平成や令和の時代に「ぽんっ」と新しく下宿が作られることは少ないと思われます。

なお、下宿の(偏った定義としまして)今回は以下の条件を下宿と呼びたいと思います。

下宿の定義

①玄関が共通(靴を脱いだ後に各室に分かれる)

②キッチン・トイレ・浴室のどれか、または全部が共同利用

③できれば木造で各居室は和室

④社宅、学生寮ではなく一般募集で住める

◆まとめ「下宿」「学生下宿」ができるには・・・

「下宿」が一人暮らしの住まいの形全盛期だったころ、すでに都市が形成されていたか、大きな学校が近隣にあり、単身者による住宅需要がそれなりにあった。

◎温泉地に温泉街ができるには。

さて、話はまったく変わりまして、温泉地(源泉?)に温泉街ができるにはどんな要件がいるのでしょうか?

「〇〇温泉」と言っても、旅館が一軒あるだけのところとか、1000mとか掘って温泉を出したスーパー銭湯でも「〇〇温泉 すこやかの湯」みたいな感じで「温泉」を冠しているところもあります。

一方では一つの温泉地に何軒も旅館が連なったり、関連して遊興施設が点在しているような草津温泉とか別府温泉を代表とした一大温泉街を形成していたりします。

温泉街が形成されるのとされない理由はなんなんでしょう?

wikipedia先生の「温泉街」の項目にちょっとわかりやすいのが書いてありました。

温泉街の形成条件
一概に温泉街といっても実に多種多様である。鉄筋の大型ホテルやリゾートホテルが建ち並ぶような温泉街から昔ながらの木造旅館が並ぶもの、昔ながらの湯治場など様々である。このような変化を及ぼす要因としては次のようなものが挙げられる。

地形条件
地形条件はその場所が、沿岸部、丘陵地、田園地帯、山野、河谷、急崖などによって温泉街の開発に制約が生じたり、また温泉街の構成に面的な変化が起こったりする(例:指宿温泉、伊香保温泉、宇奈月温泉など)。また、周辺の自然景観を借景や囲繞環境として有効活用したりと、温泉地のイメージに応じた開発が行われたりする(例:由布院温泉、瀬波温泉、清津峡温泉など)。

交通条件(他都市、他地域との密着、近接性)
主要都市に近いと、その奥座敷として発展するケースは多い(有馬温泉、定山渓温泉、月岡温泉、飯坂温泉など)。比較的遠方でも、港湾整備や観光航路の開設、鉄道の敷設や専用自動車道の開通などに伴い、人口が稠密する大消費地などと密着性を持つと急速に発展を遂げることもある(別府温泉、山代温泉、芦原温泉、鬼怒川温泉など)。また、著名な観光地が近いと、その観光拠点として温泉が開発される例もある(阿寒湖温泉、洞川温泉、阿蘇内牧温泉、天橋立温泉など)。

経済条件(外部からの流入資本や地元の地域振興など)
地形条件や交通条件などに優れると、大都市や海外などの企業から大量の資本が投入され、一大リゾート地を形成することがある(バーデンバーデン、越後湯沢温泉、南紀白浜温泉など)。また、それとは対照的に地元資本で衰退した温泉地の再興の気運を高め、独自の政策、方針などで温泉地を興隆していった例も見られる(黒川温泉、乳頭温泉郷、小野川温泉など)

泉質、湯量など温泉自体が及ぼすもの
温泉は泉質が優れ、効能が高いものであるとその温泉は専ら保養、湯治などに用いられ、そのような客を対象とした温泉街を形成することがある(スパ、俵山温泉、酸ヶ湯など)。また、温泉療法を行う医療施設の進出をきっかけに温泉街が発達したり(三朝温泉、亀川温泉など)、湯の花の生産など特殊な産業をきっかけに温泉街が形成されることがある(明礬温泉など)。 湯量が豊富であると保養温泉と行楽温泉として発展すべき双方の条件を満たす温泉も現れることがある(ホットスプリングス、草津温泉、下呂温泉、鉄輪温泉など)。

これらの様々な条件は複合することも多く、その他様々な理由から変化に富んだ温泉地が形成される要因となっている。

なるほど。

色々な要因で温泉街が形成される」ってことですね。

つまり返して言えば大資本が入った都市部へのアクセスが良かったそれなりに湯量があった、など「色々な要因」が重ならないと温泉街が形成されない、とも言ええるわけです。

じゃあ、結構「温泉街がある」ってのは長年の様々な偶然が重なって形成された奇跡(軌跡)とも言えるわけで、先人の方々のおかげとも言えそうです。

そうなると、「歴史」がある温泉地の方が、どこかのタイミングで温泉街に発展するチャンスが得られやすいという意味で「歴史がある温泉地」というのも温泉街形成の一つの要因になっているのかもしれません。

(まあ、歴史がある分その後、廃れてしまったという可能性も出てきますが。。)

◆まとめ「温泉街」ができるには・・・

地形・交通アクセス・経済・泉質・湯量などの様々な条件が揃い、なおかつ歴史がある温泉地ほど温泉街が形成されやすい

◎温泉街に下宿・学生下宿街ができるには。

・・・となるとですよ。

温泉街ができることも、下宿ができることもそれなりに要件が重ならないと出来ないわけです。

そうなると「温泉街に下宿街がある」のはもう奇跡と言ってもいいんじゃないでしょうか。

温泉街と言えばだいたい山あいにあって都市部から離れたところに形成されているイメージです。

一方、下宿のような施設があるところは都市部、または大きな学校がある「大学城下町」。

割と相反する条件のもとにしか温泉街も下宿街も形成されません。

となると、その二つが両立するには温泉街が都市部にないといけません

けっこう難しい条件です。

てことで、社会人向けの下宿(←運営している「篶竹荘」や「第2ペンギン荘」はこっち寄りで大学生も住んでいる・・・って感じですが・・・)よりも学生下宿の方がまだ現役で残っているところも多いので、温泉街に学生下宿がありそうな街をちょっと探してみました!

◆湯田温泉×山口大学

▶湯田温泉

開湯は約600年前。山陽道に珍しく温泉街が形成されている。

▶山口大学

1919年に開校した旧制山口高等学校が前身。ナンバースクール(旧帝大)後の「地名校」(ネームスクール)の旧制高等学校のうち、最初に設立された4校のうちの一つで下宿が形成される要件にが合致。

湯田温泉と山口大学の距離

山口大学吉田キャンパス←(2.4㎞)→湯田温泉

実際に下宿はあるのか??

条件はそろっているものの、湯田温泉街の中に学生下宿を見つけることはできませんでした・・・。昔はあったりしたのでしょうか??

◆道後温泉×愛媛大学

▶道後温泉

日本書紀、風土記にも登場する史実上の温泉の記録として見ても、日本最古級の歴史を持つ。

▶愛媛大学

1919年に開校した旧制松山高等学校が前身。ナンバースクール(旧帝大)後の「地名校」(ネームスクール)の旧制高等学校のうち、最初に設立された4校(旧制・山口高等学校、松山高等学校、松本高等学校、新潟高等学校)のうちの一つで下宿が形成される要件にが合致。

夏目漱石の「坊ちゃん」で有名。

▶道後温泉(本館)と愛媛大学の距離

愛媛大学城北キャンパス←(1.2㎞)→道後温泉本館

実際に下宿はあるのか??

夏目漱石の「坊ちゃん」も松山の地で下宿に住んでいましたし、松山高等学校時代からの歴史もあり、温泉街×下宿街の期待は大きいです。

・・・が「愛媛大学 下宿」や「道後温泉 下宿」などで調べても調べても下宿はヒットせず・・・。かなり期待していましたがちょっと残念。

◆別府温泉×別府大学

▶別府温泉

万葉集にも登場する日本一の湧出量を誇る西の横綱・別府温泉。その湧出量の多さから街全体が温泉街のような様相である。

▶別府大学

1908年に創設の豊洲女学校が前身の私立大学。

▶別府温泉と別府大学の距離

別府市内各地に温泉が湧いているので0㎞。

実際に下宿はあるのか??

下宿街や学生街とはいきませんでしたが、ありました!

創伸下宿」というのがあるようです。別府大学のみならず立命館アジア太平洋大学にも徒歩圏内。しかも下宿内に温泉付き。とりあえず「温泉街の下宿屋」という類まれなる奇跡を一つ確保。

◆浅間温泉×信州大学

そして真打ち。

朝9時ごろから温泉街の下宿屋を探し回ってすでに現在13時。。。

温泉王国の日本ですからもっと温泉街の下宿屋さんなんてたくさんあるもんだと思っていたのですが、案外ない。。というか全然ないことが分かりました。

それでもそもそもこんな記事を書いたのはわたしたちが下宿屋さん(篶竹荘と第2ペンギン荘)をやっている長野県松本市の浅間温泉にはまだ下宿屋がちらほら残っているから

なので珍しいながらも「温泉街×下宿・学生下宿」ってのは全国津々浦々探せば案外あるのだろうと安易に考えすぎていました。。

結局、見つけたのは浅間温泉以外には別府だけ。。。

予定調和な記事とはいきませんでしたが、最後に「浅間温泉×信州大学」による下宿を見ていきます。

▶浅間温泉

日本書紀や風土記にも登場し、日本三大古湯と言われるのは道後温泉、有馬温泉、白浜温泉。

でも実は束間の湯(浅間温泉か美ヶ原温泉のどちらかと言われている)として日本書紀にもさらっと書かれている温泉地。1300年の歴史がある。

▶信州大学

1919年に開校した旧制松本高等学校が前身。ナンバースクール(旧帝大)後の「地名校」(ネームスクール)の旧制高等学校のうち、最初に設立された4校(旧制・山口高等学校、松山高等学校、松本高等学校、新潟高等学校)のうちの一つで下宿が形成される要件にが合致。

北杜夫の「どくとるマンボウ青春記」で有名。

▶浅間温泉と信州大学の距離

信州大学松本キャンパス←(1.7㎞)→浅間温泉

実際に下宿はあるのか??

信州大学生協ではアパートのみならず「下宿」のカテゴリーで学生の一人暮らしをサポートしています。

そんな中、「THE温泉街の下宿」とも言える「風呂無し(温泉かけ流しの月額利用制の共同浴場を利用)」の下宿を探すとこれだけありました

なんだか重複しているのもあるので計4施設。篶竹荘と第2ペンギン荘も学生専用ではありませんが、大学生(男女とも)OKなので浅間温泉には現時点(2022年)でも6軒も学生が住める温泉下宿があるということになります。

昔(私が大学生のころ)は浅間温泉には「(浅間温泉の)ときわ荘」とか他にもたくさん温泉下宿があったので、さらに下宿全盛期のころには10軒20軒はくだらないくらいあったのだと推察されます。

◎「温泉街の下宿」

結構長く長野県松本市に住んでいるので、下宿と言えば大学の周りか、(東京都豊島区椎名町の)トキワ荘があるような大都会にある・・・くらいに思っていました。

その中でも信州大学はたまたま近くに浅間温泉という温泉街があったので、下宿街と融合して「温泉街×下宿街」となったみたいです。

そんな風景を普通に見ていたので、温泉街は全国にたくさんありますし、大学だってはいて捨てるほどあるわけなので、「温泉街×(学生)下宿街」は色々なところにあるのだと思っていました。

思っていたので、ある程度の予定調和を目指して記事を書き始めたのです。

なのに、探せども探せども全然ない・・・。

数で言えば下宿<学生下宿のはずなのに、温泉街にある学生下宿ですら見つけることができたのは浅間温泉×信州大学以外には別府温泉×別府大学(立命館アジア太平洋大学)だけでした。。

なんと・・・。

◎結局のところ、すごーく贅沢ってことです。

てことで(何度も言いますが)「温泉街×下宿街」があるのはこの街だ!!的な記事を目指していたのですが、結局そんなところがあるのは浅間温泉だけって結論になってしまいました。。(別府は一つの下宿しか見つけられなかったので下宿「街」とは言えない・・・)

もしかしたら学生下宿の場合一般の人たちが知らなくてもいいわけですから、新入生向けのホームページや冊子などで配られたりして、実際は温泉下宿なるものは本当はもっとあるのかもしれませんが、私の調査力では見つけることができませんでした。

(もしご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。温泉街×下宿街・・・)

ともあれ言えることは「温泉街の下宿」てのはすごく贅沢ということです。

風呂無しの下宿だからこそ、地域の共同浴場を使える権利をいただけることになり、毎日温泉三昧ができるわけです。

(浅間温泉にも普通のアパートがありますが、浴室があるアパートは普通の他の地域にあるアパートと変わりありません。)

毎日湯治のように暮らしているのに、それでいて、平日などの日常は普通の会社員だったり、学生だったりとして暮らしています。

これを贅沢と言わずしてなんとやら、といった感じです。

なお、今回は下宿よりも学生下宿の方がまだ全国にも生き残っているだろうという判断から温泉街×学生下宿が無いものかと探してみましたが、ヘイシャがやっております篶竹荘第2ペンギン荘は学生「」OKな下宿というポジションで、どちらかと言ったら移住者向けの下宿(シェアハウス)となっています。

学生さんのみならず、松本に住んでみたい、せっかく信州なんだから温泉地に住みたい・・・な社会人の皆様もご興味ありましたらお問い合わせいただけたらと思います。

最後に宣伝をしまして、今回はこの辺で。現在14:00。

9:00から書いて5時間です。遅筆です。頑張って描きました。

読んでいただきありがとうございました。

◎↓↓↓カタい話じゃなくて長野や松本での「暮らし」をのぞいてみたい方は↓↓↓

◆松本・浅間温泉での「ふつうの暮らし」「日常」を見てみたい。

篶竹荘」や「第2ペンギン荘」でもブログやったり、InstagramやFacebookをやったりしています。

同じような人が書いているので、隠しきれない個性はそのままに、信州・松本・浅間温泉での「ふつうの暮らし」とか「日常」をメインテーマとして書いています。

併せて読んでいただけると、より長野県や松本でへの移住、そして暮らしが立体的に知っていただけると思います。

(と、言いますかSumSumの「お知らせ・読みもの」だけが異質です。よくたどり着いてくれました。ありがとうございます。)

合同会社SumSumおしらせ・読み物

→もっともカタい文章を書いています。

→「こうやったらもっと暮らしって楽しくなりそうだなー」みたいなことを書いています。

→「ふつうの暮らし」「日常」をちょっと楽しくする提案やデータなどをもとにした考察みたいなのも。

→自分にとっての「快適な暮らし」を求めている人にとって何かのきっかけになれば。

→「会社のサイト」だから一番真面目に書かなきゃ・・・と思って「他よりは」根拠になる資料を探しているつもりです。

篶竹荘「ブログ

「ぽん」のInstagramをもとに短い文章で書ききれなかった情報を加えて「より詳しい」日常、ふだんの暮らしを投稿します。

→ブログの中ではもっとも「素」です。

第2ペンギン荘「お知らせ・ブログ

→第2ペンギン荘のマスコット「第2ペンギン」がいろいろやってみる「てい」で書いています。

→一番DIYについて書いているかもしれません。

→ちょっとおふざけしています。

→一番楽しんで書いているかもしれません。

→第2ペンギンはこんなやつです→(調子に乗ってラインスタンプも作りました。)

▶Instagram「第2ペンギン荘

→第2ペンギン荘のInstagramです。

→女子目線の信州・松本・浅間温泉の移住暮らし。

Instagram「ぽん(篶竹荘と第2ペンギン荘)

→篶竹荘と第2ペンギン荘のInstagramです。

→篶竹荘に住んでいるので篶竹荘の投稿が多め。

→個人的な趣味を投稿するあまり「大外れ」することも。