「長屋」をカッコよく再定義する。

◆長屋とは?

木賃アパートをカッコよく定義する。」の焼き直し。木賃アパートの長屋版です。

長屋も好きなんです。特に平屋の。

近年の長屋は二階建てが主流みたいですが、長屋といったら落語で出てくるような江戸時代の6畳(畳4.5畳、土間1.5畳)みたいなイメージが付いているのでやっぱり平屋がいいなあと思っています。

さて、そんな長屋とは、以下のような建物のことを指すようです。

隣家との境界の壁を共有する構造の集合住宅。

玄関・廊下・階段など長屋以外の集合住宅にある共用部分は無く各戸で独立している。

共用スペースを通らずに各戸に直接出入りできます。

かつては平屋が主だったが、今は2階建てが主流。

◆名前をカッコよくする。

長屋・・・と言うと古臭いイメージを持たれる方もいるかもしれない。

じゃあ言い方を変えればいいんじゃない?!という安易な考え。

ただ結局、アルファベット表記するか、外国語を引用するしか思いつかなかった。

「Nagaya」

「テネメント」

・・・ごめんなさい。

◆カッコよく改修する。

てことで名前で目立って良さを再認識してもらおうというのはあきらめて、結局のところ建物がどんだけ素敵なところかが本丸。根幹であるはずだ。

と、言うことで「長屋 リノベ」みたいな感じでそういった事例がないか調べてみたが、大半が「新築そっくりさん」ばりに、建物の良さを活かすというどころか、むしろ、古き良きをどれだけ隠して新しく見せるか・・・みたいな改修ばかり出てきた。

長屋の多くは賃貸物件だから、きれいに清潔に見える改修が主流なのだろう。

その中で一つ素敵なところを見つけた。

大森ロッヂ」である。

出典:大森ロッヂ
出典:大森ロッヂ

これこれ!!これである!

サイトの中にある「大森ロッヂとは」にこんなことが書いてあった。もう忘れちゃいけないと思って備忘録としてもそのまま引用する。

○Community spaceではなくConvivial place

コミュニティーは形成するものではなく、自立した個性の発露によって醸成されるものという考え。街角再生を通して互いに触れ合い、共に愉しむ場づくりを目指しています。

○ヒト・モノ・マのゆるやかなつながり

住まう人、場を構成するエレメント、そしてその距離感が都合よく良い加減であること。これは皆がいきいきとするための最低条件と考えています。


○借りて住む。そのあり方の創造
常に柔軟でクリエイティブでありたいと考えています。借りて住む価値は何なのか? 買うか借りるかの二元論を超えて住む価値の最大化を表現していきたいと思います。

—大森ロッヂ, 大森ロッヂとは

大森ロッヂはいくつかの棟が集合した集落であるが、長屋はその一部である。

ただ、長屋の良さと同じものをコンセプトに据え置いている気がするので、私がぼんやり思い描いていたものを一番バシっと文章で表現してくれていたように思う。

特にConvivial placeという言葉。Community spaceという名前が随所で聞かれる昨今、なんか違和感があるなーといつも思っていたのである。

合同会社SumSumは表向き上はシェアハウス屋さんであり、長野県松本市の温泉街・浅間温泉の地で「篶竹荘」と「第2ペンギン荘」という下宿みたいなシェアハウスをやっている。

居室は全室個室であり、基本的な生活はみんな独立して営まれ、それでいて共用スペースがあることからほどよいつながりが持てるというのを売りにしている。

やはり、自分の暮らしを自立できて、それが基本にあっての共生なのだと思う。すなわちConvivial=独立共生である。

たまに、自分一人では生活できないから面倒見てください・・・って方や、「さあ、あなたはどうやって私を楽しませてくれるの!?」みたいな方が来られるが、シェアハウスはそういった暮らしではない。持ちつ持たれつのイイ感じの人間関係を目指しているのである。

そういった意味でシェアハウスも木賃アパートも長屋も「ゆるやかなつながり」があるという点で共通している。

シェアハウスこそ今では認知度があるけれど、要は下宿みたいなもんである。

言い方が変わっただけだ。昔も今も下宿≒シェアハウスの良さは変わらない。

長屋だってそうである。

路地端でちょっと挨拶してみたり、会話してみたり。隣に知っている人が住んでいるという安心感。何かあったときにお互い頼れるという心強さ。それでいて普段はそれぞれ自立して暮らしている。

どうだろう?

長屋の暮らしって古いイメージがあるかもしれないけれど、むしろ現代の人たちが理想としている暮らしにマッチしていないだろうか?

なので、合同会社SumSumは木賃アパートと同様に長屋も”推し活”したいのである。

なんなら長屋の運営もやってみたいくらいである。(すごくシャイでみんなを牽引するという立場というより、裏方で頑張るようなタイプですができるかな!??大森ロッヂが素敵すぎて・・・)

・・・と話はズレたが、長屋を再定義・・・というかこれは再認識をすることで、長屋の良さをみんなにもわかってもらえそうな事例を挙げてみた。

小見出しに「改修する」と書いたが、これはむしろハード面だけでなく、ソフト面的なことがかなり大きいと思われる。

◆キャッチフレーズを付けてカッコよくする。

ってことで長屋の特徴をとらえたキャッチフレーズを考えてみた。数分で・・・。

「ほどよい、つながり」

「暮らしても、商っても」

でどうでしょう?

「ほどよい、つながり」は長屋が元来から持っていた特徴である。昔は噂好きの人とかが住んでいて、つながりがデメリットになったこともあろうけれど、今はそれぞれ個の時代である。お互いの入ってほしくないプライベートには干渉しない、という程よい距離感を取るのが現代人はうまい。

・・・となると「ほどよい、つながり」はメリットしかなくなるのである。それをキャッチフレーズにしてみた。

「暮らしても、商っても」は江戸時代の落語とかに出てくるけれど、長屋を住居兼工場にしていた人もいた。暮らすだけでなく、商ってもいいはずである。可能性を狭めてはいけない。(お互いが気持ちよく過ごせるという範囲で)

そんな意味を込めてみたキャッチフレーズである。

◆長屋の良さを再認識する。

ということで、長屋の良さを再認識してみてはいかがだろうか?

合同会社SumSumは表向きはシェアハウス屋さんだと言ったが、裏向きには”直接的な効果というより間接的な””目立たないけれど”まちづくり会社だと思って運営している。自分が住んだり関わったりしている街が素敵になったら楽しいに決まってるからだ。

そんなわけで、楽しい街づくりをゼロから作るという意味で、夢はでっかくってことでいつか村を作りたい!なんてこっそり思っているのだ。

でも、これも数軒連なった長屋の一画を直してみたら??

なんか素敵になりそうな気はしないだろうか?

長屋、それだけ可能性を秘めた建物なのである。

長屋、長屋をこれからも推していきたい。

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